「風の電話」再建できる見通し

昨日来、全国の皆様から「大丈夫か」、「再建を支援したい」と50本を超えるTEL、Mail、FAXをいただき驚き又、感謝しています(文章を読ませていただき涙がでます)。

必要として電話に来る人、必要だとして再建を支援したいと云う人、これほどの社会性を持ってしまった風の電話。ほうっておくことは出来ないと取り合えず鍛冶工房に仮置きしましたが、それらの心配を吹き飛ばすできごとが起きました。

NPO法人「遠野まごころネット」の皆さんと、壊れた風の電話BOXの片付けをしている最中でした。以前、母親を津波に流され未だに行方不明になっている隣町、山田町の港さん。風の電話を3度ほど利用していて顔馴染になっていました。その港さん、奥さんからお見舞いの電話があった後、建築業のご主人がやってきて一目見るなり「修理できる、明日から始めるから」と云うではないですか。

「今度は、基礎に直接BOX本体を載せるのでなく、土台をまわしてその上に設置すれば腐ることも防げる」。木製での再建は諦めていたのに力強い言葉に、片付け作業をしていた全員がほっとした瞬間でした。

取材に来ていたテレビ、新聞の記者達もそれでは明日もまた来ます。皆の顔がほころんでいました。

「風の電話」強風で倒壊する

会えなくなった大切な人へ、想いを伝える「風の電話」。昨年暮れまでに1万3千人の利用者を数え、多くの皆様の心のよりどころとして、ただそこにあった風の電話が昨日の強風で倒壊してしまいました。

確かに昨日は、正午ぐらいから恐ろしいほどの強風が吹き荒れ、日中の気温も-3℃という状況でした。それでも鍛冶工房で片付け作業をし、夕方4時半頃には電話BOX内の整えと、日めくりをして家に入りました。この時までは健在でした。今朝になり、何気なく見た景色に電話BOXは無く無残に散らばっていました。

瞬時に想いは、必要あって電話に来る人にこの無残な姿は見せられないということでした。心にグリーフを抱えた人がこの状況を見たら癒しどころか益々グリーフが強まってしまう恐れがある。早く片付けなければということでした。

しかし、その前にこの風の電話をいち早く取り上げた記者にだけは連絡するのが礼儀だと思い電話をしています。記者もすぐに来て、昼の電子版にアップしていました。

壊れた原因の第1は、やはり強風(瞬間26.9m/毎秒)でしょう。次いで、元々電話BOXは屋内用の物に屋根を取着け屋外で使用しているため、基礎に触れている木部分が腐食気味になつていたこと。第3に高台移転、三陸縦貫道工事による森林の伐採で自然環境の変化等(風の動き)が推定されます。

以上のことから取れる対策は、屋外用のアルミ製の電話BOXに置き換えることだと考えますが・・・・・・・となると・・・・・・・・・・うーん。

アルミ製の電話BOXについては製造元、費用等を確認しなければ再建についてなんとも答えられませんのでしばらくの間時間をいただきたいと思います。

いち早く片付けの「お手伝いします」と遠野まごころネットの臼沢副理事長から電話があり、明日手伝ってもらい電話BOXの移動することにしました。それから家の電話が鳴りっぱなしの状態でした。インターネットを見たテレビ、新聞社の取材申し込み。団体、個人のお見舞いの等々。社会性の大きさを知らされました!「自分が倒れてもこのような状況にはならないだろうなー・・・・・・・」。

今後のことは、昨日の今日でありまだ何も決められない状況ですが、只いえることは今も電話を必要とする方が何人か訪ねて来ますので、仮の電話設置場所を確保しなければと言う思いです・・・・。場所には充分注意を払わなければなりません。近くに「森の図書館」がありますが、心のケアの場合他人と頻繁に接触する場所は適切ではありません。そこで、昨日来片付けをしてきた鍛冶工房を仮の風の電話場所にすることにいたしました。

当分の間、不便をかけると思いますが様子を見てみたいと思っています。

新しい希望に満ちた年に!

新年明けましておめでとうございます。

昨年は、多くの皆様にご協力いただき「風の電話」「森の図書館」に関わる活動を推進することが出来ました。ありがとうございました。

今年も被災地の「心の復興」を旗印に心のケア、感性の育みをメインに、更には芸術、文化面からの活動推進を考えております。昨年同様のご支援、ご協力をよろしくお願いいたします。

さて、大震災から4年目の年を迎え、地域の様相は大きく変わりつつあります。私の住む浪板地区も例外でなく、高台移転の土地造成の工事が昨年6月から始まりました。 家の裏に会った杉林は全て伐採され、地表土を剥がされ、柔らかい地盤を改良するためセメントを混ぜられ固められました。

今度は、境界際を深く掘り下げ、コンクリートブロックを積み上2~3メートルの擁壁を築き段々状の宅地を造成するのだという。無機質なコンクリートブロックの壁、子供達の遊び場の自然環境も何もあったもんではない。

町づくり、景観づくりの意見を聞きには来るが反映されることはほとんど無い。低地は浸水区域、また高台では土地収得も難しい、仮設暮らしも4年目を迎える等々問題を多く抱えている状況も理解できる。しかし、自然環境や周囲との景観を無視した目先の問題解決優先と見える街づくり地域づくりには、大きな危惧を感じています。

今年も元旦恒例となった「天の叫び地の怒り」の本を持ってツリーハウスに籠った。 「木ッ木の森」の周りの杉林が無くなったとはいえ、正面の雑木達は健在である。ストーブを焚いて湯を沸かしウイスキーのお湯割りをマグカップ一杯につくり、チェアーハンモックに身を委ねると、外の木々と一体になり青空の中をゆれる。

部屋の中を見渡すと、ランプもストーブの上からぶらさがっている自在鍵も、同じようにゆれている。風が裸木を揺らし吹きぬけると、ゴーといううなり声に続きコンコン、タンタン,カンカンとツリーハウスが全体が歌いだす。ドアに付けたカウベルがひときわ高い音をカランコロンと鳴らす。

皆元気で生きているなーと感じる瞬間です。今年も楽しいことが一杯起きそうな予感がします。

昨年12月から開催中の宮澤賢治展「イーハトーヴォと三陸海岸」今年は、期間中に賢治研究者を招いての講演会、また大槌宮澤賢治研究会(仮称)の発足をはじめ、賢治の詩碑建立の募金活動を開始したいと考えております。

ベルガーディア鯨山の「心の復興」活動と共に、賢治の詩碑建立募金活動にも皆様のご支援とご協力をよろしくお願いいたします。

皆ですばらしい町大槌を創ろう!!

ツリークライミングで空中散歩

日中の気温が0℃まで下がり、時おり小雪が舞う中、6名の参加者がツリークライミングを楽しみました。

まず、森の木々達に一緒に楽しませて頂きますと挨拶をして森に入り、適当な木の枝を見つけ、皮袋に鉛の粒の入った錘を投げて紐を引っ掛けます。

次に枝を傷めないようにビニールの蛇腹管にロープを通して、引っ掛けた紐にくくり付け木の枝まで引き上げ、ロープをなんだか難しい結び方でループ状に結びます。

後は、自分の体にサドルを取り付けサドルとロープを帷子で結び、ロープの片側にフットロープを結びそれに足を入れ全体重をかけます。その時難しいロープの結び目が緩みそれを手で押し上げしながら上へ上へと上がっていくのです。片側のフットロープから足を外し全体重をもう一方のロープにかかっている時にはロープは絶対緩みません、身体は空中に宙吊りの状態です。

普段、ツリーハウスの上(2メートル)の高さから景色を眺めていますが、今日は、5メートルの高さ(ツリーハウスの屋根より上)から森を眺めることが出来ました。

恐怖感は無かったです。木の上の枝が身近になり「やあ!お前、元気だったか」という懐かしい感じでした。

次回は、気候が暖かくなった頃にやりましょうと約束して、こばきよ先生と娘さんのゆかさんとお別れしました。

長野県松川村立松川小学校 6年3組 大沢先生

10月12日朝8時、連休を利用して松川小学校6年3組の生徒21名とその家族総勢30名を大沢先生が引率し「風の電話」にやってきました。

お話を聞けば、授業で絵本「かぜのでんわ」を読み聞かせをした後、感想文を書いたとのことです。感想には、お話に感動したこと、実際にモデルがあることを知り行って見たいと生徒達が思ったこと。先生が生徒たちの気持ちを大事にしたこと等が推察されます。何と素晴しい授業をしている先生でしょうか。

試験の高い点数がとれるよう教科書を厚くし、時間数を増やす授業は2012年より実施されていますが、感性(感動、感激する気持ち)を育て、行動力を重視する松川小学校の教育姿勢に共感します。

背景を考えるに、松川村立松川小学校はお米と水が美味しい、美しい北アルプスと田園風景が広がる素敵な場所で、安曇野ちひろ美術館があります。松川小学校は美術活動を通じてそことも交流しているのだそうです。

こどもの人格形成に環境が大きく影響を与えることは広く知られています。環境を活かした教育者を得た子供達は幸せです。将来に夢を見れます。

松川小学校6年3組 大沢学級ガンバレ!