30数年ぶりに絵筆をとる

長らく遠ざかっていた油絵を、30数年ぶりで1週間で3.点描き上げた。

20代の頃から始めた油絵だったが、40代初めから新規事業に関わり、寝食を忘れて没頭した。自分がサラリーマンだということを忘れていた。その頃から絵筆は遠のき、あれほど楽しみにしていた写生にもいかなくなった。思うに、あれもこれもという器用さはなく、一つのことに集中するタイプなのだろう。

54才でサラリーマンをリタイヤした後、自分の田舎づくりに邁進しベルガ―ディア鯨山を拓き、オープンガーデンを始めた。ほどなく、東日本大震災が発生し、12年間開拓してきたガーデンの環境を活かした活動として「風の電話」を設置し、亡くなった大切な人へ想いを伝えることにより絶望を生きる希望に変える心のケア活動をしている。

70才になった頃から絵を描きたいという気持ちが再び湧き起ってきた。しかし、以前のように描けるか不安もありぐずぐずしていた。昨年の暮れ絵具やオイルを揃え、準備だけは整え何時でも取り掛かれるようにしていた。しかし、すでに体力的に無理のきかない74才になっていた。今を逃したら後の人生で絵筆を持つ機会はないのではないかと思った。

被災地は今明るい未来像を求めている。明るい未来は夢を見ることからはじまります。明るい未来像を描くにはその推進力となるものが必要となります。文化や芸術にはその力があります。その力をまちづくりに届ける必要があります。音楽に関しては多くの方の支援を受けていまでも盛んです。一方、絵画に関してはどうでしょうか、かって現代美術の須藤美術館の支援で絵画のワークショップなどを開きましたが4年ほど前から途絶えています。絵画の芽を なくしてはならない、何とかしなければと考えています。どなたか協力出来る方はいませんか。

写真上から F15号「風の電話のある風景」、 F15号「工場風景」、F6号「ベルガ―ディアから海を望む」

 

「風の電話」映画化決定!

昨年秋ごろから進めていました「風の電話」映画製作・メインキャスト・監督等が決まり情報公開することになりました。

出演者:モトーラ瀬理奈、西島秀俊、三浦友和、西田敏行
監 督:諏訪敦彦(すわのぶひろ)『Ⅿ/OTHER』『ライオンは今夜死ぬ』

劇場公開は、ブロードメディア・スタジオの配給により、2020年の初春を予定しています。この映画は一人の少女が広島から故郷の岩手に帰り、「風の電話」にたどり着くまでの道程を通して、”傷ついた心の救済”と、私たちが忘れかけている大切なものを映像を通して刻み付けて行く内容です。

クランクインにあたり諏訪監督と私のコメントが紹介されました。

【諏訪敦彦監督】
スマホを片時も手羽すことが出来ないでいる私たちは、まるで片手の操作だけであらゆる世界につながっているという錯覚に陥ります。しかし、そう簡単にはつながらない人や世界というのがあることを、私たちは忘忘れてしまっているのかもしれません。「風の電話」は岩手県大槌町の丘にひっそりと置かれています。分かりやすい標識や、案内図はなく、「さあ、自分の力でここまでやっておいで」と私たちに旅を誘っているかのようです。熊野詣での時代から、旅は生まれ変わるための再生の行為です。私たちも傷ついた主人公ハルの魂と共に、「風の電話」を目指して旅をしてみようと思います。私としては、日本を舞台にした久しぶり撮影となりますが、その道しるべのように、素晴らしい出演者たちが参加してくれることになりました参加してくれることになりました。映画は何かを見せるものであると同時に、見えない何かを創造させるものでもあると思います。この映画がその創造の力を回復できる旅になることを旅願っています。

【佐々木 格「風の電話」設置者】
会えなくなった人に想いを伝える電話「風の電話」。亡き人とつながれるという思いが、人に生きる希望を与えることができます。人は人生において、自分の物語を創出し、それを生きていると考えることが出来ます。最愛の人を失った時、遺された人の悲しみを癒すのはその人の持つ感性と想像力です。人間には、失ったものを取り戻したいと切望する想いがあります。癒しには亡き人に再開できる、再びつながれるという想像を通して新しい物語が必要となります。
この度、「風の電話」の映画化が決まりました。大震災で両親を亡くした主人公ハルは、旅の途中で様々な人たちの優しさに触れ少しづつ心を開いていきます。故郷の岩手県大槌町で「風の電話」を訪ね、自問自答する中で、どんな時にも人生には意味があることに気付きます。自分は今「人生から問いかけられている」だから、たとえ今がどんなに苦しくても全てを投げ出す必要はないのだと。

「風の電話」での撮影は4月30日となります。

この映画は2020年初春全国ロードショーになります。

第2回「風の電話」音楽祭ライブ&トーク開催決定

写真は前回の音楽祭の様子

昨日、「風の電話」音楽祭の第3回目となる実行委員会が開催されました。その席で9組の個人、団体の出演が確認されたことを受け開催実行が決定されました。

この音楽祭は、「風の電話」に共感する人たちがキッキの森に会し、様々な事情からグリーフを抱える人たちに寄り添い、分かち合い、支え合う心の交流と未来を担う子供たちの感性の育みを目指しています。今どきの子供たちと話をすると「知っている」「知っている」という言葉が返ってきます。しかし、知ってはいるが、感じてはいないのです。知ることは感じることの半分も重要ではありません。感性の伴った知識、いわゆる体感することが必要なのです。頭で知識としてわかっていても、それを心で感じなければ身につきません。だからイジメがなくならない。自然の中で五感をフルに活用し、大人も子供も、プロもアマも一緒になり歌い、演奏する時子供たちの活き活きとしとて新鮮で美しく驚きと感動は、一緒に共有してくれる大人が傍にいてこそのものだと思っています。いつかこの音楽祭が契機となりアーチストが誕生し、町が文化・芸術の振興につながればという夢を見ています。

開催日時:2019 年4月28日(日)AM11時~PM15時

15時から懇親会(音楽祭会場)参加費:無料

当日は前回同様クリスマスローズの苗を格安でお分けします。

3・16 宮沢賢治の詩碑「旅程幻想」除幕式

除幕式が無事済ませることができました。これもひとえに皆様方のお陰様です。今、ホッとして鼻歌を歌いながらブログを書いています。屋外の式典のため天候には最大の気を使いました。予報では曇りのち雨、式典も雨になった場合の話し合いに時間を費やしました。

しかし、当日は晴れ!屋外の場合天候次第で八割がた成功が約束されたようなものだが、式典はそれを何十倍も上回る感動的なものでした。詩「旅程幻想」の朗読、慰霊の尺八演奏、エルシステマジャパン大槌の子供たちによるバィオリン演奏、金澤神楽舞等々、宮沢賢治の詩碑でありますが、我々賢治研究会の建立の想いその精神を理解するならば、大震災で無念の思いでなくなった方々にとっては慰霊の碑であり、これからの子供たちにとっては賢治に触れる機会となになり、災害を語り継ぐ記念碑になると考えています。そうした思いが出席者全員にに伝わり感動となり涙ぐむ方もいました。

詩碑も出席者の感動を呼ぶ重厚な仕上がりであり、これから大槌の交流人口の拡大の要として大槌駅と共に皆さんに愛されていくものと思います。計らずも、一基目の詩碑「暁穹への嫉妬」が宿泊施設であるホテルの海を望む場所に建立され、今回二基目の詩碑が旅する人々の玄関口、大槌駅舎となりに建立されたということはこれからの我々の活動を暗示していると見ることが出来ます。元より、詩碑が完成したから終わりではなく、これは新たな始まりだと考えていますのでこれからの活動は、イーハトーブ三陸海岸を結ぶ各市町村と連携し、全国の賢治フアン及び生き方を模索している人たち、また国連のSDGs(エスディジーズ)の精神『誰も置き去りにしない』ということは、賢治さんの言う「世界が全体幸福にならないうちは個人の幸福はありえない」とする「みんなで幸せになろう」ということと同じだと考えています。これらに共感する人たちをテーマ性のある新たな周遊ルートを開拓し、賢治の三陸紀行を追体験すると共に地元の者でなければ知り得ない事柄を紹介するツアーを考えています。