新緑がまばゆい29日の午後、第1回「風の電話」によるグリーフケアが開催されました。
今回のセミナーは、グリーフを抱えた方のケアーをどのようにしたらいいのかと言うよりも、喪失を経験した時どうすればグリーフを軽減できるか、ということにフォーカスしたセミナーであった。私が体験したり、また「風の電話」を訪れた方々と話をする中で感じることは、大切な人を失った場合でもその受け止め方は一様ではなく、一人一人それまでの生活環境により個人差が大きいと感じていました。この個人差は、私たち一人一人に「心」があるからだと考えています。
「心」の対応には、まず「心」とは何か知る必要があります。傷ついた心を癒すためには、その実態を知らなくては対応は難しいと考えています。これには、「心」を概念として抽象的に扱うのではなく、身近な言葉に置き換え現実的に対応しなければならないと考えています。私は心=生命力(エネルギー)と捉えている。
次に、ある日突然の命や健康に異変が生じても、冷静に向き合えるように準備しておかなければならないと考えています。これには、「事前復興」という言葉があるように、またスポーツにおける練習と同様、個人の人生及び社会生活においても予め訓練とか予習が大切だと考えています。
これを裏付けるものとして、ユニセフの世界の国の幸福度調査から見られるように、日本人の自尊感情、自己肯定感の意識の低さが喪失を抱えた時、グリーフを深刻化させ長引かせていると考えています。これには、小学校からの道徳教育、社会人になってからの死の話をタブー視することなく、死は生の延長線上にあり共存しているものなのだとする意識が大事になります。そして、自分自身の生き方を見直すキッカケは多くのことから ”気づき”を得て自分で変わらなければと考えます。生き方の見直すキッカケは何時でも、何事かある時、また見たり聞いたりする時、自分自身の目の前を横切ります。それを捕まえて自分の活力にするか、横目でやり過ごしてしまうかは自身の普段の感性と心構え(意欲)にあると結ぶセミナーでした。