9月19日午後13時30分より大槌宮沢賢治研究会主催の宮沢賢治詩碑「暁穹への嫉妬」の建立除幕式典を開催いたします。
2011年3月11日、東日本大震災で大槌町は壊滅的な被害に見舞われ、多くの貴い命を失いました。しかし、全国からの
支援に助けられ、生き残った私達には亡くなられた方々やこれから生まれてくる子供たちに対して、どのように生きるかを示す責任があります。
私たちは宮沢賢治の「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はありえない」という考えのもと「利他の精神」がその道しるべになると考えます。
今「心の復興」が声高に叫ばれていますが、「心の復興」とはどのようなことなのでしょうか?
私は大きな意味で被災地に暮らす皆さんが生きる目的、目標を取り戻すことだと考えます。
これは私たち大槌宮沢賢治研究会が活動精神の中核としている「どのように生きるか」に相通じるものがあると思っています。しかし、目に見えない精神論で人々を啓発することは難しく、それを見える形にしたのが大槌と関わりの深い薔薇輝石を詠んだ詩碑「暁穹への嫉妬」であり、2基目として建立する「旅程幻想」なのです。
これは宮沢賢治の詩碑ですが建立の精神を理解してもらえれば、亡くなられた方々にとっては慰霊の碑となり、これから生まれてくる子供たちにとっては賢治さんに触れる場を共有することになり、震災を語りつぐ記念碑になると考えます。
また、大災害を悲惨な記憶としてだけ残すのでなく、東北人の、岩手県人の魂や忍耐強さ、津波で打ちのめされたけれど地震や海と生きていくたくましさを伝え、災害を乗り越えて新たな経済と雇用を創出しなければ町が再び甦ることはあり得ないと考える。
従って、詩碑のあるイーハトーブ他市l町村と交流と連携を深め、テーマ性のある周遊ルートの開拓など、教育と文化の高い豊かな町づくり、観光による交流人口の拡大に寄与する計画を進めなければならないと考えています。
尚、2基目の「旅程幻想」の詩碑は当初大槌川河原を考えていましたが、賢治さんと子供たちの触れ合う場を共有するということを考えますと、間もなく開校する小中一貫校大槌学園の校庭或いは校門付近が適当ではと考えています。
結びになりますが、今回の詩碑「暁穹への嫉妬」建立に際しましてお力添え頂きました全国の皆様方にこの場をお借りして心より感謝申し上げます、有難うございました。
大槌ご来訪の折は是非見て頂きたいと思います。