絵本「かぜのでんわ」から「風の電話」へ

先日、外国の作家の方が「風の電話」のことをポッドキャスト(インターネット上で音声や動画のデーターファイを公開する方法でありインターネットラジオ・テレビの一種)で聞いて感動した。話のコピーだけでなく、自分の目で確かめたいとやって来ました。

その方は、「絵本では動物たちが愛する家族を失い悲しい心の内を、線のつながっていない電話で話しかけると、最後に山の上で電話が鳴り、皆の想いが天国にいる亡くなった方に届いたというストーリですが貴方もそのようにお思いですか」と尋ねられました。これは私の「風の電話」をモデルにしたお話しですが、作者のいもとさんは亡くなった方々は天国でお星さまになるというイメージで描いたと思います。私は、亡くなった人の存在をどこに感じるかは各個人が決めて良いことだと思います。お墓なのか、仏壇なのか、天国のお星さまなのか。「千の風になって」の歌では風になって大空を飛んでいるのだとしています。「貴方のすぐ傍にいるのか、各自の思いで良いのでは」と話し、「どこにいるのかが問題ではなく、無くなった方の魂がどこか身近なところにいると思うことで心が安らぎ、生きる力になればそれで良いのでは」と話すと静かに納得されていました。

また、絵本「かぜのでんわ」では愛する家族を失った動物たちと震災で亡くなった人たちがオーバーラップし悲しみを共感することができましたが、著書「風の電話」を読んで初めて風の電話立ち上げの深い意味、道徳の授業に取り入れ「命の大切さ」「生きる」ということ、悲しみだけでなくそこから再び立ち上がり、自らが持っているミッションである「何か」、「誰か」の為に生きるということがとても大切であると分かりましたと話していました。

疑問があったら確認し、理解して頂くことは著者として大変嬉しいことです。自分自身の再確認にもなります。ありがとうございます。

「風の電話」ハーバード大学で授業に取り入れる

10月28日、日本テレビ「世界一受けたい授業」の中で、米ハーバード大学が2018年より、日本の文化を知るという授業で「風の電話」を取り上げ、被災地東北から学ぶ命の授業が始まることが話されていました。

ハーバードの学生は「日本人は亡くなった人との絆を大切にするから死後もつながっていたいと思う」。「死と向き合い前に進むとはどういうことなのか学びたい」と話していました。

既に、「風の電話」に関して国内では小中高の道徳の授業で独自に取り上げられ「命の大切さ」、「命の重さ」、「命を尊重するとは」どのようなことなのか、先生が子供たちと一緒になって考え、「命を粗末にしない」、「生きるとはどういうことなのか」を学んでいます。

著書「風の電話」には、それらのことが詳しく書かれてあり、ハーバードの学生また、これから自分の生き方を真剣に考える方々にとって一つのヒントになると思います。どうぞ手に取って何度も何度も読み返してください。

著書「風の電話」朗読CD化、岩手県に依頼される

去る、10月13日公開した「釜石視覚障がい者福祉協議会ベルガ―ディア鯨山に集う」で紹介しました中の一人、幹事役の小笠原さんから電話連絡がありました。「今回の会はとても楽しかった。今までのただ説明されるだけでは良く解らなかったことが、今回はいろいろ比較して頂き違いが理解できましたありがとうございました。それから、今日中村会長から岩手県の担当課に風の電話の本を送り朗読CD化をお願いしました」と云う内容でした。

彼らたちの気持ちに寄り添うことができ私もうれしくなりました。それにしても私の著書「風の電話」が朗読CD化されることにより、より多くの方々にベルガ―ディア鯨山での活動が理解され、誰にとっても優しい社会になればいいと思っています。

優しさとは、耳の聞こえない者も聞くことができ、目の見えない者も見ることができる言葉なんだ(マーク・トウエン)

石と賢治のミュージアム 「ブドリとネリ」の会と交流、連携

去る10月9日、一関市石と賢治のミュージアムの「ブドリとネリの会」の皆さん21名が大槌宮沢賢治研究会との移動研修にやってきました。

研修の目的は3.11大震災で大被害と多数の被災犠牲者を出した大槌町で宮沢賢治に繋がる復興活動を展開している大槌宮沢賢治研究会の人々の話と「風の電話」や「森の図書館」新たに建立された賢治詩碑などの見学をし、また復興が進む町の現状、その現場を訪ねるというものでした。

10時30分の到着予定が1時間ほど遅れたため、私の講話「風の電話と宮沢賢治研究会活動」と宮村副会長の「心と体の復興を目指して」の講話は急ぎ足の内容で皆さんに十分内容が伝わったか心配しています。

「風の電話」、「森の図書館」見学を簡単にすまし、近くの民宿で豪華な昼食をいただきゆっくりくつろいだ後、宮沢賢治詩碑「暁穹への嫉妬」を見学、記念撮影の後大槌町内の復興状況を見学、ひょっこりひょうたん島のモデル蓬莱島を当会員の赤崎幾哉さんの名ガイドで楽しく案内して頂きました。

我々大槌宮沢賢治研究会は賢治の詩碑をめぐる新しい切り口の物語性のあるツアーを企画しています。今日まで数多くの研究者が賢治についてその研究成果を発表していますが、その地域、地元の人でなければ分からない逸話等々を掘り起こし、それらを地元の人に語ってもらう、その為の交流・連携を進めています。北三陸、南三陸そして内陸の一関と交流を進めてきました、次には遠野、花巻、石鳥谷等賢治の会は至る所にあります。我々もまだ出来たばかりの会ですが、数多くの会と交流させていただき見聞を広めていきたいと考えています。どうかよろしくご指導をお願いいたします。

釜石視覚障がい者福祉協会の皆さん、ベルガ―ディア鯨山につどう

10月8日、前日の雨も上がり絶好のスポーツ日和となった。今回の集いの名目は障がい者スポーツ大会だがベルガ―ディア鯨山を散策することで良いのだというので引き受けたのであった。

初めてのことであり何をやって半日を楽しく過ごすか考えた。視覚障 がいはあるが他の聞く、触れる、嗅ぐ、味わう感覚は健常者と変わらない。そう考えると様々な遊びが出来るはず他所では出来ない遊び、楽しみとして「風の電話」CDを聴いてもらう、風の電話をを利用してみる、小川のせせらぎや、小鳥の囀り、風の音を敏感な聴力で聞いてもらう。触れる感触としては芝生の感触,苔の感触、落ち葉の感触をガーデンを歩いて確かめる。匂いを嗅ぐ体験では薔薇の種類による香りの違い、ハーブやコニファーの香りや香りの強弱、甘さか、スパイシーな香りかの違い。味わう体験ではコーヒーとケーキに甘がき、イチジクの実を食べハーティーを飲んでそれぞれの味を楽しむというメニューを障がい者も介助者も全員で体験した。

特に、苔の上を歩く体験はまるで絨毯の感触を感じさせル驚きだった。匂いに関しては敏感に反応し我々が感じる以上の微妙な違いを嗅ぎ分けていた。

視覚障がい者も先天的か後天的かで点字翻訳の理解度が異なり又、想像できる度合いが大きく違うことは如何ともしがたいことである。最近では、点字本よりも朗読したものをPCで聞くことが多いと話していました。それでも聞いていると途中で眠ってしまうのでそんな時は点字本の方が良いのだとも話しています。

わずか半日程の短い時間でしたが、皆さんに大変喜んでいただけたことはこれからのベルガ―ディア鯨山の活動に新たなページを加えるものと思われます。

ベルガ―ディア鯨山のコンセプトである「何時でも、誰でも」時間の許す限り皆さんと共にありたいと思っています。