森の図書館コンサート

11月25日、ベルガーディア鯨山「森の図書館」に於いて、チェロとピアノのミニコンサートが開かれた。

チェロ奏者は、北海道在住の土田英順氏、被災して主を失ったチェロを修理し、各地で200回以上コンサートを開催している。ピアノの鳥居はゆきさんは土田さんと共に演奏活動を続けている無くてはならない相棒だ。

エルガーの愛の挨拶に始まり、クラッシックの名曲の数々から子どもたちの大好きなアニメソングまで、時節がら雪の降る町をや日本の歌曲等90分にわたり演奏された。

当日は、大槌「里親の会」や「この指とまれ」の子どもたちが招かれ、大槌出身の歌手佐藤ひろみさんや、女優であり脚本家・詩人の近衛はなさん等といつしょに楽しんだ。

 

最近涙した風景2題

晩秋のガーデンの一隅に佇む電話ボックス。ある日、ご年輩の三人連れが風の電話を訪れる。私は気が付かないでいた。妻から誰か来ているよと聞かされ、後で上にあがって来るものと思っていた。

ややしばらくしても誰も来ないので下に下りてみた。しかしそこには誰もいませんでした。おかしいな・・・・と思いながらボックス内のノートを見ると、そこにはひと言

「勝也早く家に帰ろう 父母、祖父母」

とありました。それを目にした瞬間に文字がにじんで見えなくなってしまいました。震災で息子を亡くし、未だ遺体が見つかっていない方だったのでしょう、せめてお地蔵様を渡してやりたかった。このようにひっそり来て、ひっそりと帰っていく方の悲しみは深い。

もう1題は、今日で3回来ました、「やっと電話することができました」とノートに記した方。いつもなら訪れた方を案内しながら話をするのに、その日は別の来訪者もありその方を一人にしていた。

身体の大きな男性で、風の電話ボックスで黒電話をにぎりしめ、あたりはばからぬ大声で話している様子。しばらくそおっとしておいたが、いつまでも電話ボックスから離れないので、そばに行きどうかなされたのですかと尋ねると、男性はポツリと「妻を亡くしました」・・・・。

もし必要なら、お地蔵様プロジェクトよりお預かりしているお地蔵様をお渡ししますがと話すとうなずき、カフェでお茶を飲んで行かれた。ノートには「やっと電話できました、残りの人生はふるさとの再生につとめていきます、その時、胸をはって会いにいきます」と記してありました。

これもまた何度来ても電話をとれない、入る気持ちになれない等など心の復興には個人差が大きく、まだまだ静かに寄り添って「大丈夫だよ」と声をかけてやらねばならない方が大勢いる、常にこころせねばならない。

松家圭輔展 開催

松家圭輔さんは、幼い頃に交通事故に遭い、知的障害と左半身に障害が残った。3年前から右手だけを使い、絵を描くようになり、明るい透明感あふれる色彩で海や、大好きな三陸鉄道、彼の仕事場のパン・カフェ等、最近では裂き織りをモチーフにした作品を制作している。

ベルガーディア鯨山「森の図書館&ギャラリー」では、昨年の小林覚さんにつづき二人目のアールブリュット作品展です。正規の美術教育をうけず、発表や評価を望まない、純粋な表現。私やあなたの感性に必ず何かを訴えかけてくるでしょう?。

会期: 11月15日(金)~12月6日(金)
時間: 10:00~16:00(月曜定休日)
場所: ベルガーディア鯨山「森の図書館&ギャラリー」
費用: 入場無料
主催: ベルガーディア鯨山
共催: NPO法人 ハックの家
後援: 大槌町・大槌町教育委員会

 

やまなし

「木ッ木の森」に1本のやまなしの木がある。昨年、子供達の森をつくるときに、のこぎりで三分の一ほど切られたところで気が付きストップをかけた。危なく切り倒されそうになった木である。

今年も五月に花を付け、九月には、5、6個実が付いているのを確認していた。しかし、先日の台風26号で全て落とされてしまった。

30数年前、仙人峠で拾ったやまなしを山葡萄などといっしょに瓶に入れていたら、発酵してブランデーのようなお酒ができていたことが脳裏をかすめめた・・・・・。

宮沢賢治の童話「やまなし」にも、お父さんカニが子供のカニにやまなしが川に落ちたのを見て言います。「待て待て、もう二日ばかり待つとねこいつは下へ沈んでくる、それからひとりでにおいしいお酒が出来るから。」・・・・・・しかし今は子供達の感性の育み云々言っている身、違法は出来ない。そこで未だ臭いもしていないけれど食べてみることにした。

直径6、5cm、形は立派だ。割った色も良い。いよいよかじってみた。長十朗のような食感、しかし、しかしだ全然おいしくな~いのだ。

熟した実でこそ食べても美味しいし、おいしいお酒も出来る。食べたら不味かったが、今年は九死に一生を得たやまなしの木が実を付けただけでも、「良くやったな」と褒めてあげなければならない。

200人が集う


第1回マイクロ・ライブラリサミットが24日、大阪市浪速区の「まちライブラリー@「大阪府立大学」で開かれた。これらの「小さなライブラリー」は、さまざまな形式で企画、運営されており地域のコミュニティーや利用者にとりかけがいのない文化的拠点になりつつある。

今回、これらの「小さなライブラリー」やその活動を支える方々が、お互いの体験や夢を語り合った。

午前10時00時~午後8時30分まで15件のプレゼンテーションがありその後、交流パーティで夜遅くまで盛り上がった。

私のプレゼン要旨は、次のような内容です。東日本大震災により安心、安全と思っていた家が流され、家族が亡くなった。子供達は意識するしないに関らず心に大きな衝撃を受けました。

「人は、過ごした環境で人格が形成されると言います。」

自然環境が豊かなところで本を読み遊ぶなかで、感性を育み培う。そのことで目に見えないものが見えるようになり、耳に聞こえないものも聞こえるようになる。そして「何が大事で」「何が大切」なことなのか?。「物事の本質とは何なのか」考えられるようになる。10年か20年先この東北の被災地の中から日本の将来をリードする人材が生まれるのではないだろうか?。というものです。

皆さんはどう考えますか。