冬期間の仕事と言えば、鍛冶工房での燭台製作がある。かれこれ10年程になる。鋼板や丸棒,角材やパイプを熱してハンマーで叩く。いわゆる鍛造と云う方法でパーツを作っていって溶接で接合して形を作る。その後、熱処理をして蜜蝋でコーティングする、それを磨き上げ、黒光りした味わいのある燭台に仕上げるのである。
今年のデザインは今までとは違い、単純なフォルムの中に力強さが感じられる本格派、玄人受けのするような作品となった。これに蜜蝋キャンドルを灯し、その炎の揺らめきを見つめていると遠い昔のことが懐かしく思い起こされる。
昨日17日は、阪神大震災から20年という節目を迎えた、竹灯籠に灯をともし、手を合わせる姿がメディアで繰り返し紹介されていました。20年たった今でも大切な人を失った悲しみは変わらないと話す女性・・・・。何年経とうが悲しみは癒えることはない、遺族の悲しみや苦しみを改めて知ると共に、その中でも懸命に日々の生活を送っている人達に、東日本大震災の被災者の20年後を重ねてしまい、思い出すことで故人をいとおしむことが出来るようになっていて欲しいと願わずにおられませんでした。