「風の電話」更新募金 その後報告

「風の電話」腐食倒壊の恐れから、木製ボックスをアルミ製に作り替える計画をたて、募金を呼び掛けたところ全国の皆様方の共感を得て、製作見積もり金額の100万円相当(一部目録のみを含む)を今日現在確保することが出来ました。ありがとうございました。心より感謝申し上げます。

6月13日には、私たちとNPO松村代表の3人が千葉県の晶成産業株式会社を訪れ、「風の電話」製作図面の打ち合わせをしてきました。その際、晶成産業社長さんから出来るかぎり応援したいという暖かな言葉もいただいています。

8月18日にNPOピノキオクラブの代表と子供たち、晶成産業株式会社社長、副社長、補修に関わった渡辺大工、募金してくれた皆さんとご一緒に新生「風の電話」の設置式を行いたいと思います。ご案内は後日連絡いたします。

それらに先立って、ベルガ―ディア鯨山現地では、新電話ボックスの基礎造りをしなくてはなりません。日時がはっきりしましたら改めて㏋にて連絡しますので、ご協力出来る方はよろしくお願い致します。

「風の電話」倒壊の危機を脱する

木製電話ボックスのため下部が腐食し、手でゆするとグラグラし強風で倒壊の心配がされていました。新しい電話ボックスを作るにせよ、とりあえず補強して台風に備えようと茨城県取手市のボランティア団体ピノキオクラブの松岡代表とボランティア仲間で千葉県佐倉市の大工渡辺博さん、茨城県牛久市の大和田淳子さんの3人が大槌町の「風の電話」に午前10時にやって来ました。

5月4日天気予報では晴れのはずでしたが、到着まもなく本格的な雨に見舞われましたが雨の中下見をし、必要な材料を見積もり、買い出しから始まりました。雨が止むのを待ち13時過ぎから修理作業に入りました。腐食した下部に新しい格子と横板を内外に取り付けましたが揺れは収まりません。次に床板を張ることを考えましたが段差出来ることを嫌い、筋交いで揺れを抑えようとしましたが見栄えが悪くこれも却下。結局電話機を置いてある棚板の下に横板を一枚取付、さらに土台と下部の新しい横板をŁ字金物で固定したことにより揺れはほとんど収まりました。新しい材料を取り付けていく先から白ペンキを塗っていったので16時頃には補修は完了し、以前の美しい姿を取り戻していました。

今回の修理の材料費は、ピノキョウクラブの子供たちがチャリティ募金をして集めたお金が当てられたということです。8月17,18日に松村代表が子供たちを連れて「風の電話」にやって来ることに決まりました。その時に新しいアルミ製の「風の電話ボックス」が子供たちと一緒に立ち上げることが出来ればどれほどの感動を与えることでしょうか。その情景を夢見て私も募金活動に励みたいと思います。皆様方のより一層の協力をお願いいたします。

因みに、「風の電話ボックス」をアルミ製で新しく再建する募金活動は、今日現在の募金額は523,000円になります。目標の金額は1,000,000円です。あと少しです。

「風の電話」建て替え募金のお願い

「『風の電話』倒壊の危機」のメディア報道に30件ほどの情報が寄せられました。木製の格子付きボックス、アルミ製の格子のないボックス、何処そこにあるという情報、募金活動を始めたいという情報、実際に募金を贈ってくれた人、取り合えず倒れないように応急措置をしましょうと茨城県から大工さんを連れてくるNPO団体等々、皆さんの「風の電話」に寄せるい気持ちに感動しています。

ここ1カ月ほど「風の電話」音楽祭ライブ&トーク開催準備に忙殺され、情報を提供された皆さんとの対応が疎かになったことをお詫びいたします。音楽祭も無事終わり、気持ちを切り替え電話ボックスをどうするか考えています。

私としては、木製ボックスは設置環境からやはり3、4年で腐食してしまい同じ騒ぎを繰り返すと心配されます。また、アルミ製ボックスはその心配がないのですが、現在使用中の格子付きボックスが「風の電話」として海外にも定着していることから、今のスタイルを継承していきたいと思います。新しく作るとなれば100万円弱の資金が必要となります。(東亜通信工業より見積もり)

音楽祭ライブ&トーク終了後詩人の里さんから販売して電話ボックス建て替えの資金に役立ててと詩ハガキ2種類(w君の一歩、かなしみの旅)とB4Ⅿサイズの詩「Grant  me~叶えてください」を頂きました。これと私の講演内容である「風の電話から宮沢賢治へ」を執筆した著書「風の電話」また、音楽祭で最後に参加者全員で歌われた風の電話CDをセットにし募金も含め1万円/セットで販売いたします。

限定25セット

振込先:ゆうちょ銀行 普通預金  店名:八三八  店番:838

口座番号:1938776

氏名:ベルガ―ディア鯨山 佐々木 格

※ご希望の方は電話申し込みして下さい。上記口座に振込確認後レターパックにて品物をお送りいたします。

電話:0193-44-2544(佐々木 格)

「風の電話」倒壊の危機に

東日本大震災から7年、愛する人を失った遺族や大切な人を亡くし喪失感を抱えた人たちの心の支えとなってきた「風の電話」が腐食倒壊の危機にさらされています。

元々屋内用で木製の電話ボックスにペンキ塗装し、屋根をかけて屋外で使用しているため無理があります。また、基礎コンクリート打設はしているものの周囲の湿地環境は木製ボックスには条件が良いとは言えません。

「風の電話」は2015年の1月に木製固定部分の腐食と強風により倒壊し、地元ボランティアの応援で再び立ち上げられました。その時は、腐食した部分を切り取り新しい材料を継ぎ足して再生したのですが、あれから3年また同じ状況が懸念されるようになってきました。

そもそも「風の電話」の構想は、街角にあったNTTの電話ボックスを見た時にガーデンオブジェとして使えたらと思ったことに端を発しており、屋外に設置するものは耐久性を考慮すればアルミ製でなければならないと考えていました。ある時、釜石のホテル前で撤去していた白い格子のアルミ製電話ボックスを譲ってくれるよう交渉したのですが、スクラップ化するということで手に入れることができなかった経緯がありました。そのような事情から木製ボックスを使っている状況になっています。

過日、英国の象徴である赤い電話ボックスが携帯電話の普及で利用者が減少し各地で撤去される中、小さなカフェや図書館などに改装して残そうとする取り組みが広がっているという記事を見ました。設置主体の英ブリティッシュ・テレコム(BT)が希望する自治体や企業に売却するサービスをしているのだそうです。これを見て日本企業との考え方、また大きな意味で、古い物でも良いものは大切に利用するという国民性の違いが表れていると感じました。ガーデンでもそうですが、日本でイングリッシュガーデンを一生懸命真似てガーデンづくりをしても、英国人の「物を大切にする」「古い物でも大事に使う」「自然の姿を尊ぶ」という精神を理解しないでつくっても、単なる真似事にしかならないのです。イングリッシュガーデンもどきにしかならないと分かります。

話がわき道にそれましたが昨今、世界中で大災害、紛争、テロ、事故により多くの人たちが犠牲になり、深い悲しみを抱えている方々も大勢いる状況にあります。大切な人を失う喪失感や悲しみは世界中の人たちに共通しています。そのような現状から「風の電話」は世界各地から共感を得て多くの人が訪れています。人の持つ感性や想像力また、電話ボックスやその場の雰囲気、音、匂いまでも含めその「場」の力が大切な人を亡くした喪失感を癒してくれるのだと思います。今なくすわけにはいきません。

しかし、電話ボックスが今、腐食倒壊の危機にあります。日本国内にもまだ、NTTのアルミ製格子造りのクラシカルな電話ボックスが残っている地域があると思います。取り外す予定或いは、取り外しまだスクラップ化されていない物がありましたなら是非譲っていただきたいと思います。ご連絡をお待ちしています。

連絡先:佐々木 格 0193-44-2544