キッキの森の異変

キッキの森にある一本の「梨の木」。2年前に子供達の遊び場の開拓時に、危うく伐採されかけ一命をとり止めた木です。昨年も、何個かいびつな小さい実をつけていました。

大きさ、形からてっきり山梨だとばかり思っていました。そして、森を訪れた人に宮沢賢治の童話「やまなし」に出てくる山梨ですと話していました。

今年も同じようにいびつな小さい実が15~16個実り、段々元気になってきたなと感じていました。。しかし、落下しなくなってしばらくした今日、写真のような直径8cmと6cmの2個の梨が木の下にころがっていました。

えっ!・・・・思わず梨の木を見上げました。もしかしたらと言う思いは無かったわけではありませんでしたが、この大きの実を見ては、賢治の「やまなし」を語ることは出来なくなってしまいました。(皆さん、すみません間違っていました)。

残念だという思いとしかし、これは肥料をやれば立派な梨をつくれるようになるのではという現実的な思いが起きてきました。「どうやら品種は長十郎のようだ、あとは味見だ」と早速割って食べてみました。・・・・「うまい!これはいける」。頭の中は既に寒肥料を施す作業が始まっていました。

キッキの森に揺れるブランコ

キッキの森に素敵なブランコが揺れています。ツリーハウスの前、木立の中にウッドガード塗装したブランコが、存在を主張せず、森と一体化して子供たちを待つています。

これは昨日の夕方、大槌復興工事を請け負っている前田建設(CMR)さんに仙台から応援に来ている佐々木裕さんが製作したもので、ベルガーディア鯨山に似合うだろうと持ってきたブランコです。

今日4日、二人で1時間ほどで組み立てました。組み立て式なのでどこへでも移動でき汎用性のたかいものです。

また、幼稚園や保育園に見られる原色の遊具でないところも良いですね。自然の中では、やはり周囲との調和が大切になります。感性を育む「森の図書館」・「キッキの森」に相応しいブランコだと思っています。是非、今度キッキの森の風におされて揺れてみて下さい。

御褒美をもらう

去る9月22日、第25回宮沢賢治賞・イーハトーブ賞の受賞式が花巻市の主催でなはんプラザで行われました。

私もイーハトーブ賞奨励賞をいただきました。選考対象は21件。選考理由は、東日本大震災後、電話線のない電話ボックス「風の電話」を設置し被災した方が亡くなった親しい人と語る場所として公開した。又、2012年には、被災した児童を念頭に、石造りの私設図書館「森の図書館」を開設。そこで賢治に関連した展示や朗読も催している。

親しい人を失った人に対する心のケアや、地域の共同性の再構築を、造園、建築、芸術などを通じて行っていることは、宮沢賢治の名に置ける奨励賞にあたいする。というものでした。自分とすれば、賢治を意識したことはなく、事務局から連絡をもらったときも何かの間違いではないかと思ったほどです。

自分以外の名の方は、長年賢治の研究や作品を発表されている方々であり妥当だと思いますが、自分の場合まだこれと言ったものはなく、奨励賞は正にこれから何かをするであろうという、それを奨励する意味合いの御褒美だと思っています。

さいわいなことに大槌宮沢賢治研究会は、大震災後、生死の境を生き延びた我々は何時の時代でも、どんな状況でも無念のうちに亡くなった方々や、これから生まれてくる子ども達に対して責任があることを自覚しています。ただ、どのように生きればいいのか誰も教えてはくれません。どこからも声は聞こえてきません。しかし、我々は賢治の生き方にひとつのヒントがあると思っています。賢治の信条であった「自己犠牲」と、誰か人のためにと言う「利他の精神」です。これ等を追求していく先に「ほんとうの幸せ」があると思っています。

また、人口減少が急速に進む中で、交流人口拡大は地方に於ける数少ない課題のひとつです。単なる災害復旧でなく、復興のためには「新しい歴史の創造」が必要になってきます。

大槌の地に賢治と関わりのある詩碑を2基建立し、それを使い、賢治が1925年「異途への出発」としてイーハトーブ三陸海岸を旅した、テーマ性のある周遊ルートを沿岸市町村と協力して確立、観光開発することを計画しています。このようにこれからが受賞の真価を発揮する時ではないかと思っています。

外壁タイル張りもなんとか

連日雨降りで作業が出来ないでいましたが合間を見て、外壁のタイル張りを3日がかりで仕上げました。床を張るのと比べ格段に難しく、膝を曲げて、目の位置より下の所を張る作業は、にわか左官屋にとっては大変な仕事でした。立ったり、逆さになって見たり、離れて眺めたりと苦戦を強いられ大変な思いをしました。道糸を張れば良いと思いやってみましたが思うようではなく途中で止めてしまいました。見掛けはともかく、何とかタイルを張り、目地詰めまで終えることが出来ました。

タイルの一部欠けているところは、建物が古くなって欠けたと思わせる「意匠」でとわざとそうしています。あまりきちんと整ったものは、私の感性に合いません。しかし、凸凹平ら、曲り真っ直ぐを志向する私でもタイルの目地ヲ縦横合わせるのと、幅を揃えることは難しく1cm以下もあれば以上もある状態は洒落にはなりません。

まあ・・・自分でやったところに意義があると納得しています。

床タイル張り完了

廃棄物だったり、半端物だったタイルを組み合わせ、なんとか床を完成させました。

始めに、持ち合わせのタイルの枚数を夫々確認することからでした。そして、箇所に応じてタイルの種類を決め、仮置きしてみた。12種類のタイルをある枚数だけ使い、モザイク模様を違和感なくデザインしてゆくのですから、並べるだけでも大変でした。

また、モルタルで張り付けるのも、端から順番と言うわけには行きません。同じタイルと組み合わせごとにぐるりと張り付けていきます。更に、100ミリ角のタイルは9枚セットの物をデザインの関係上3枚づつに切り離し使用すると言う、手のこんだ作業となりました。

お金をかければ簡単なことを、出来るだけかけないようにする為には、自分の労力と時間がかかるものです。しかし、それだけ出来上がった時には感動と喜びが沸き上がります。

何時も、自分が物づくりをしていてこの感動を味わうため、あえてガラクタを使い苦労をしながら完成させているのかもしれません。

タイル屋さんの後は、ペンキ屋さんになりブロック内壁を塗装しました。シーラーでブロック表面をコーティング、乾きを待ってベィジュの浴室用水性塗料をローラーで2回塗りして仕上げました。これで1週間要しています、商売だとぜんぜん割があわないですよね!。

残るはブロックの外壁のタイル張りです。そして、次は石屋さんになり、コンサバトリー周囲に石を敷き詰める作業になります。これで全作業完了となりますが、中の使用はもうできますので植物とテーブルは運び込もうと思っています。もう一息です。