今年もイクラづくり

12月4日、所用があって宮古に行きました。帰りに魚菜市場に寄ってみると、年末らしく新巻き、生イクラ、アワビ、ホタテ等が各店ごとに並んでいます。

生イクラは昨年よりも安くキログラム当たり6800円、昨年は10000円位したと思う。メス鮭が1尾6000円程で売っていたので手間はかかるがお得だと思い、自分で「しょうゆイクラ」を作ると買ってきた。家に帰るなり「さぁーつくるぞー」と包丁片手に鮭の腹を割ると、膜に包まった生子が二腹、二つで1000キログラム程あり、思った通りと笑いが自然と出てきました。生子を膜から外すべくラケットでしごきバラバラにして、人肌の温度の塩水で3回洗い水切りをしました。

次に清酒を熱し、火を付けアルコール分を飛ばし、それに醤油を60度ほどに温めたものを混ぜ漬け込み液を作り、覚ました漬け込み液を容器に入れた生イクラにかけ一晩取り置きすると出来上がり。美味しいイクラご飯が食べられます。(このレシピ―は日本料理店より教わる)

どうですか、食べたいと思うでしょう。まだありますよ。何でも自分で作って食べるものは美味しいものです。

 

大阪府河内長野へ行く

 

 

11月23日朝5時起床、家を6時半に出て車で花巻空港に向かう。遠野あたりから雪がちらつき始め、針葉樹の緑に白く雪が付き一足早くクリスマスがきたような雰囲気です。花巻空港に着いた時にはあたり一面真っ白でした。今日の日を予想して21日にタイヤ交換して正解でした。

今日は大阪河内長野で第4回「ひょうたん島文化祭in河内長野」に招かれ「風の電話」から宮沢賢治へと題して2時間の講演会です。14時からの開演ですので間に合わせるために朝早く出て、9:10のJALで伊丹空港に向かうためでした。

大槌と河内長野は文化祭を通じて交流をし、東日本大震災の被災地としての大槌町の今を知ってもらうことを主体とし、子どもたちおよび河内長野市民の作品も共にそれぞれの文化祭で展示文化芸術交流としてお互いを深く理解しょうとしています。

被災地は今明るい未来像を求めています。明るい未来は夢を見ることから始まります。将来のあるべき姿を思い描くためには原動力となるものが必要です。音楽を始めとする芸術・文化にはその力があります。大槌と河内長野のこうした交流活動は将来につながります。子供たちを育てることで未来を託すことが出来ます。

今回の講演会・親睦会には、河内長野市市長、副市長を始め県議、市議それに武庫川女子大の河内鏡太郎教授、第27代に本さくらの女王辰巳由紀さんにもご来場いただき一段と華やかさが加わりました。ありがとうございました。

河内長野は自然がいっぱいで大槌に似ています。海はありませんが人々の優しさがあります。この会を主催する「大槌町を支援する河内長野市民の会」の皆さんは主に、河内長野ロータリーの方々でありそれぞれが役割分担をしっかりと遂行する、まとまりある素晴らしい集団だと感じました。ありがとうございました。これからもよろしくご指導をお願い致します。

こうして忙しかった8月から11月一杯のスケジュールをなんとか無事に過ごすことが出来ました。しかし、「風の電話」をめぐる動きはまだまだ続きそうです。人間忙しさが過ぎるのも、余裕がなくなるのも自分本来の姿を見失い、他人に対して寛容さを失います。気をつけねばなりませんネ。

 

 

2冊目の著書「『風の電話』とグリーフケア」出版

10月31日2冊目の著書となる「『風の電話』とグリーフケア」。こころに寄り添うケアについてのタイトルで出版されました。慶應義塾大学医学部感染制御センターの矢永先生との編著になります。

1作目「『風の電話』は、なぜ創られたのか」、それを通してなにを見、なにを考え、なにをやろうとしているのかという内容になっています。そして、2作目となる著書は、風の電話を訪れた人々のメッセージを丁寧に拾い上げ、悲嘆のプロセスとグリーフケアについて多面的に検討しています。災害支援、遺族や看取りのケアに携わる援助者に必見の書となっています。

本文には米国の精神科医Van Dyke先生の「風の電話」はセラピストのいない、グリーフを抱えた方が自ら行うセラピーなのだと言う解説。また、ハーバード大学のIan Jared Miller教授の「なぜハーバード大学で『風の電話』を授業で取り入れているのか」等々独自の見解が語られています。

全国の書店又はAmazonにて発売中です。

 

 

静岡いのちの電話で心のインフラとしての「風の電話」講演会

11月4日(日)14:00~16:00静岡県もくせい会館(静岡県職員会館)にて、静岡いのちの電話主催の講演会、心のインフラとしての「風の電話」が開催されました。いのちの電話は自殺対策の一つとして、ボランティアらによって営まれているいのちの電話(日本いのちの電話連盟)が深い悩み・辛さを抱えて誰にも相談できずに自殺を考えるほどになっている人の話を聞くため電話を設けて、相談を受け付けている活動です。

いのちの電話は生きることに絶望している人たちを対象にし、片や風の電話は

大切な人を亡くし絶望している方たちに、それぞれ生きる希望を持っていただくための活動であり何か共通するところがあるのではないかと、お話しを引き受けた次第です。

風の電話によるグリーフケアは個人の持っている自然治癒力というか自己回復力を呼び覚ますセラピストのいない活動であり、グリーフを抱えた方が自ら行うセラピーです。人は人生において自分の物語を創り出し、それを生きていると考えることが出来ます。そして、最愛の人を失った時残された人の悲しみを癒すのは、人の持つ感性と想像力です。なぜなら、人間には失われたものを回復しょうとする精神の営みがあり、癒しには再開できる、再びつながれるという物語が必要となります。風の電話での自問自答は自らの物語の続きの創出であり、断ち切られた日々を一瞬でも取り戻すことになり、遺された人は物語の新たな展開を意識しなければならず、生きる力を得ることが出来るのではないでしょうか。

自殺対策は孤独対策だと言われていますが、私の風の電話で取り入れている人間の本来持っている力を活かすという、自然治癒力・自然回復力を取り入れたケアを考えた場合、孤独対策をもう一歩前に進め生き方対策が必要ではないかと考えます。生き方対策とは、要するに自分の存在のとらえ方の問題です、これを社会に出る前に訓練する必要があります。あらゆるスポーツにおいて練習なしで試合に出ることは怪我の もとであり、命にかかわる場合もあります。スポーツと同じように社会に出る場合に学校、その他での「生きるとは」「何のために生きるか」など個人の生きる使命など明らかにしておくべき必要があると考えています。そうすることにより世の中に受け入れられない状況が出来ても挫折や絶望することなく、自分の使命にチャレンジできるのではないだろうか。また、人間は自然の中で進化してきました。緑に触れることで災害、事故等で傷ついた心を開放し、癒されることは科学的にも立証されています。ドイツ発祥と言われるクラインガルテン、ロシアのダーチャ等、空き地を利用した市民農園を通じたコミニケションの場を活用した孤独対策が望まれます。それらの対策後の最後の砦として、いのちの電話活動で誰も自殺で命を失わせないという活動が望まれるのでは。という話をしています。

2枚目の写真は、岐阜県自死遺族の会「千の風の会」のカメラマン三浦氏と一緒に。

岩手日報文化賞の受賞について

報告が大分遅くなりましたが去る11月3日、岩手日報社より各分野で活躍され、本県の発展に貢献された方々に岩手日報文化賞並びに体育賞を贈り、その功績をたたえるとし、ベルガ―ディア鯨山の活動が評価され文化賞社会部門を受賞しました。

「風の電話」という場については、深い悲しみの中にある方々が自分自身との心の対話によって混乱している思考を整理し、本来持っている自分の生命力を取り戻すため、自分が主体的に行動することを促して行くところであり、グリーフを抱えた人たちが独自で行うセラピーと言える。自分自身に語り掛けることは自己の発見であり、自己意識が言葉という形で現れることで断ち切られた思いをつなぐことができる。悲しみ、苦しみ絶望感から、つながることが出来るという希望の光を持つことが自らを納得させ、悲しみや苦しみから解放され、癒されると感じ意識の向け換えが出来るのではないだろうか。

また、被災地は今明るい未来像を求めており、明るい未来像は夢を見ることから始まります。将来のあるべき姿をしっかり思い描くには原動力となるものが必要であり、音楽を始めとする文化芸術活動にはその力があります。そして、それを届けることが大切であり、長期的な活動になることから将来を託す子どもを含めた音楽祭や読み聞かせ会、児童書を集めた「森の図書館」活動等が評価されたようです。

この度の受賞は支援してくれる皆さまを含めた活動に対するものだと思っています。よって、副賞の30万円は北海道 地震被災地に義援金として全額寄付いたしました。どうぞご了解して頂きたいと想います。