東日本大震災から7年「風の電話」で想いをつなぐとは

「風の電話」は、逢えなくなった人に想いを伝える電話です。家族や友人や恋人であった人と、もう一度心を通わせてもらえたらという願いを込めて創られました。亡くなった方とつながることが出来るという想いが、遺された人に夢や希望を与え生きる力になります。電話線はつながっていません。「つながっていないからこそ想いはつながるのかも知れません」それが、心の持つ想像力であり人の持つ力なのです。

想いをつなぐとは。

あなたは、少し前までお話をしていた愛する人が突然亡くなり、この世からいなくなることを想像したことがありますか。失われた生命はどんな手段や努力を以てしても取り戻すことは出来ません。そして、亡くなったのだから後はその人とは想いをつなぐことはできないのだとなると、遺された人たちにとって残るのは絶望感だけです。しかし、亡くなっていてもあなたの身近なところにいて何時でもつながることが出来るという希望の光を見つけることができたなら、生きていく上でどれほど力づけられるでしょうか。また、あなたはそうした感性と想像力が必要なことなのだと理解できるはずです。

それと同時に遺された人たちが死者に寄り添うことで、自分が生者として今を生きているということを実感されるでしょう。そして、亡くなった方が自分を見守ってくれているという安心感が大切な人を失ったグリーフからあなたを癒してくれると思います。これが、想いをつなぐことなのだと思っています。