風の電話に音楽を置いていく

岐阜県のカメラマン三浦さんがベルガ―ディア鯨山を訪れました。大船渡の子供園に「ハロウィーン柿」を柿農家の方と届けるために来たのです。

そして、ご一緒に来たのがアルパ奏者の奥村陽子さんでした。石巻のコンサートに名古屋から来て、終了後、どうしても「風の電話」に行って震災で亡くなられた方々に音楽を”置いていきたかった”と言います。

私も初めて耳にするパラグアイの楽器で、日本には3人の奏者しかいないそうです。それにしても「音楽を置いていく」とはこれまた初めて聞く言葉で聞き返したほどでした。

アルパの音色はハープとよく似ていると感じました。涙を浮かべての演奏どんな人生を歩んできたのでしょうか?

今まで「風の電話」の前で演奏したのは、ヴァイオリンの松本克己さんと2人目ですが、スピリチュアルな雰囲気と相まって、いずれもなかなか良いものです。

森の幼稚園は最高に楽しい!

1週間前の天気予報は曇りから雨だったが、今日18日は朝から快晴の「森の幼稚園」日和です。

子どもたちは10時少し前にベルガ―ディア鯨山に来ました。園児8名に先生3名とグリーンフイールドの吉川さん、我々2人の総勢14名で今日の活動をすることになりました。

今日のハプニングとして焼き芋大会を準備しました。時間がかかるので、何よりも先に皆でサツマイモをアルミホィールで包み灰の中に放り込みました。その上に枯葉や枝を乗せ、たき火をします。焼き芋が出来上がるまでの待ち時間、全員でクロッカスと水仙の球根を植え付けしました。子供たちは元気が良すぎて予定以外の所へどんどん植えていきます。慌てた先生に待ったをかけられ連れ戻されていました。来年春が楽しみです。3月に皆来るんだぞと声を掛けました。

球根はまだまだたくさんあったが、植え付けはほどほどにし自由時間にしました。子供たちはハンモックやツリーハウスで大騒ぎでした。中にはシーズンも終わり、しからびたような栗を大事そうに拾い「ホラ―」と見せに来る子もいて、森の幼稚園を十分楽しんだようでした。

最後にメインイベントの焼き芋を取り出し全員が美味しいと顔をほころばせていました。

普段仮設の窮屈な保育生活から、思い切り手足を伸ばせたかな?何時でも、誰でも来ていいのがベルガ―ディア鯨山です。また来いよと森の幼稚園を終了する。

キッキの森の楽しみ

10月18日釜石鵜住居幼稚園の年長さん8名がベルガ―ディア鯨山にやってくる。

これは、被災して仮設幼稚園で保育し、十分に遊びまわることが出来ない子供たちを自然の中で遊びながら学ぶ「森の幼稚園」活動で、3年前より実施していますが今回はガーデン誌ビズの3.11ガーデンチャリティNEWプロジェクトの、「子供たちの夢咲かせプロジェクト!」の企画が一緒に参加することになりました。

このプロジェクトは、早春に咲くかわいい球根を学校や幼稚園、保育園に植えようというものですが、ご承知のように鵜住居幼稚園は未だに仮設の為、ベルガ―ディア鯨山に植えて子供たちに花に親しんでもらおうというものです。

当日は午前10時からの活動になります。当日に備え森を少し整備しました。

1つは、たき火場所をコンパクトにし、より安全にたき火を楽しめるようにしました。私も2回やってみましたが文句なしに楽しいです。18日には、「焼き芋」を予定していますので球根植えをした後の子供たちの喜ぶ顔が見えます。

2つ目は、昨年より少しずつ手掛けていた石積みのコンサートステージです。森にゴロゴロしている石を集めて積み上げ、1mの高さで7㎡程のステージを石だけで作っていて、あと少しで完成します。「森のコンサート」第1号を誰にしようか考え中です。どなたかご希望の方いますか?

以上のことから、元々からのガーデン、風の電話、ツリーハウス、ハンモック、森の図書館と合わせて子供も大人も楽しめ、感性を育める「場」になっています。

一度ベルガ―ディア鯨山に「あなた自身を置いて」感じてみてください。

詩碑「暁穹への嫉妬」除幕式典のようす

前日、台風16号の影響か時折雨が降っていたので心配したが、当日は曇り日であったが降雨はなく、式典が始まる時間帯には80名ほどの人が集まり除幕の瞬間を固唾を飲んで見守った。

除幕された詩碑は高さ190cm台座を入れると230cm、幅120cm、厚さ30cm程の安山岩の自然石に直彫りされた風格のあるものだ。台座付近には、賢治さんが海岸近くを歩いている時に暁穹を見た雰囲気を表すかのように、石がごろごろと転がっている。

浜垣誠司氏による詩「暁穹への嫉妬」の朗読と解説の後、地元子供たちの「星めぐり」をヴァイオリンとチェロの演奏があり、吉里吉里鹿子踊り保存会による鹿子踊りの奉納と続き60分にわたる式典を無事終えることが出来た。

第2部は元静岡新聞主筆原田誠治氏による講演「宮沢賢治に学ぼう」があり、今の政治家は賢治さんの生き方と逆の生き方をしている人が多いと、現役の小沢一郎さんをあげ同じ岩手県人としてどこでどう間違えたのか残念でならないと話す。私は、権力やお金をいくら持っても尊敬されることはない、普遍的価値の持つ知的財産をどれだけ残すかということに尽きると理解した。

第3部は除幕式を祝う祝賀会だ「雨ニモマケズ」の詩吟あり、コスミスのライブありと素晴らしい祝賀会だった。詩碑の建立は出来上がりで終りではなく、農業に例えれば種をまいた段階です。これをこれから育て花を咲かせ実を収穫できるようにしなければなりません。


賢治さんの精神をこれから生きる子供たちに震災と共に語り継ぎ、災害を乗り越えて地域の復興に寄与する計画を進めていかなければなりません、まだまだ全国の皆さんにご協力、ご指導を宜しくお願い致します。

宮沢賢治詩碑「暁穹への嫉妬」建立除幕式典開催いたします。

9月19日午後13時30分より大槌宮沢賢治研究会主催の宮沢賢治詩碑「暁穹への嫉妬」の建立除幕式典を開催いたします。

2011年3月11日、東日本大震災で大槌町は壊滅的な被害に見舞われ、多くの貴い命を失いました。しかし、全国からの

支援に助けられ、生き残った私達には亡くなられた方々やこれから生まれてくる子供たちに対して、どのように生きるかを示す責任があります。

私たちは宮沢賢治の「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はありえない」という考えのもと「利他の精神」がその道しるべになると考えます。

今「心の復興」が声高に叫ばれていますが、「心の復興」とはどのようなことなのでしょうか?

私は大きな意味で被災地に暮らす皆さんが生きる目的、目標を取り戻すことだと考えます。

これは私たち大槌宮沢賢治研究会が活動精神の中核としている「どのように生きるか」に相通じるものがあると思っています。しかし、目に見えない精神論で人々を啓発することは難しく、それを見える形にしたのが大槌と関わりの深い薔薇輝石を詠んだ詩碑「暁穹への嫉妬」であり、2基目として建立する「旅程幻想」なのです。

これは宮沢賢治の詩碑ですが建立の精神を理解してもらえれば、亡くなられた方々にとっては慰霊の碑となり、これから生まれてくる子供たちにとっては賢治さんに触れる場を共有することになり、震災を語りつぐ記念碑になると考えます。

また、大災害を悲惨な記憶としてだけ残すのでなく、東北人の、岩手県人の魂や忍耐強さ、津波で打ちのめされたけれど地震や海と生きていくたくましさを伝え、災害を乗り越えて新たな経済と雇用を創出しなければ町が再び甦ることはあり得ないと考える。

従って、詩碑のあるイーハトーブ他市l町村と交流と連携を深め、テーマ性のある周遊ルートの開拓など、教育と文化の高い豊かな町づくり、観光による交流人口の拡大に寄与する計画を進めなければならないと考えています。

尚、2基目の「旅程幻想」の詩碑は当初大槌川河原を考えていましたが、賢治さんと子供たちの触れ合う場を共有するということを考えますと、間もなく開校する小中一貫校大槌学園の校庭或いは校門付近が適当ではと考えています。

結びになりますが、今回の詩碑「暁穹への嫉妬」建立に際しましてお力添え頂きました全国の皆様方にこの場をお借りして心より感謝申し上げます、有難うございました。

大槌ご来訪の折は是非見て頂きたいと思います。